行列の微分の定義
スカラを返す関数において、行列
での微分係数は以下のように定義されます。
の微分
ベクトル に対し、の微分を考えます。
まずを計算していきますと、
ですから、
となります。行列の成分での微分は、式(4)よりとなることがわかります。これはの成分ですから、
となります。
の微分
次にの微分を考えます。ここでとします。同じように計算してけば、
となります。式(6)においてでの微分を考えると、積の微分公式より
です。成分が含まれるのは式(6)の番目の項のみですから、それ以外は微分したら0です。
ここで式(7)右辺の1番目の項は、の成分、2番目の項はの成分となっていますから、
となります。
今回の導出は、解がわかっていたので、それに向かって計算していったので何とかなりました。「式(7)右辺の1番目の項は、の成分」、とかさらっと書いていますが、解から逆算しました。もっとまともな導出があるかもしれません。