2×2の行列の固有ベクトルを、対応する固有値をとします。あるベクトル を、の固有ベクトルを基底として表すことを考えます。そのベクトルを とすると、
と書けます。また、正規直交基底をとすれば、
です。で線形変換して得られるについても同様に
です。
さて、固有値と固有ベクトルで書いた通り、線形変換により、向きが変わらず定数倍になる方向を固有ベクトル、その定数倍が固有値でした。したがって、以下のように変形できます。
となりますから、式(6),(8)より
です。つまり線形変換を固有ベクトルで作られた座標系で表すと、各要素が固有値倍されるのみであるということになります。
回転行列の場合、全てのベクトルが回転されるので、固有ベクトルの性質である「変換によって定数倍になるベクトル」は存在しない、つまり固有ベクトルは求められないと思ったのですが、複素数で存在するそうです。この辺りは後でもうちょっと勉強が必要。