機械学習に詳しくなりたいブログ

機械学習や数学について勉強した内容を中心に書きます。100%趣味です。記事は数学的に厳密でなかったり誤りを含んでいるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。

行列の対角化(2)

行列の対角化で導出した方法よりこちらのほうがわかりやすかったので書きます。

n \times n行列\mathbf An個の異なる固有値を\lambda_1,\lambda_2,\cdots,\lambda_n、対応する固有ベクトルを\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2, \cdots , \mathbf{u}_{n}とすると、固有値、固有ベクトルの定義より\mathbf A \mathbf u_1 = \lambda_1 \mathbf u_1, \cdots, \mathbf A \mathbf u_n = \lambda_n \mathbf u_nが成り立ちます。

これをまとめれば、


\mathbf A (\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2, \cdots , \mathbf{u}_n) = (\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2, \cdots , \mathbf{u}_n) \left(
    \begin{array}{cccc}
      \lambda_1 &  & & 0 \\
       & \lambda_2 &  & \\
       &  & \ddots &  \\
       0 &  &  & \lambda_{n}
    \end{array}
  \right) \tag{1}

と書けます。\mathbf P =  (\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2, \cdots , \mathbf{u}_{n})とすれば、


\begin{eqnarray*}
\mathbf A \mathbf P &=& \mathbf P \left(
    \begin{array}{cccc}
      \lambda_1 &  & & 0 \\
       & \lambda_2 &  & \\
       &  & \ddots &  \\
       0 &  &  & \lambda_{n}
    \end{array}
  \right) \tag{2} \\
\mathbf P^{-1} \mathbf A \mathbf P &=& \left(
    \begin{array}{cccc}
      \lambda_1 &  & & 0 \\
       & \lambda_2 &  & \\
       &  & \ddots &  \\
       0 &  &  & \lambda_{n}
    \end{array}
  \right) \tag{3}
\end{eqnarray*}

となります。なお逆行列を持つためには\mathbf Pの列ベクトルが線形独立である必要がありますから、固有ベクトルに重複がある場合は対角化できません。