対称行列は直交行列を使って対角化できることを確認します。
対称行列の異なる固有値
に対して、対応する固有ベクトルを
とすると、固有値、固有ベクトルの定義(参考:固有値と固有ベクトル)より
です。ここで、式(1)の両辺の転置をとると、転置行列の定理より
となるので、両辺にをかければ
となります。いま、は対称行列ですから、
となります。式(4)、(7)より、
となりますが、としていますから、
、つまり
と
は直交します。よって、
の固有値が全て異なれば、対応する固有ベクトルは互いに直交していることになります。ここで、
として、式(1)、(2)を行列でまとめて書けば、
となります。は直交行列ですから、
より、
となります。以上より、対称行列の固有ベクトルは直交し、固有ベクトルを並べた直交行列
により
を対角化できることが確認できました。