2クラスのロジスティック回帰における交差エントロピー誤差は、唯一の最小値を持つ凸関数であること確認します。
ロジスティック回帰における交差エントロピー誤差のヘッセ行列で、交差エントロピー誤差のヘッセ行列が
と書けることを確認しました。ここで任意の非ゼロのベクトルを用いて
と変形します。式(2)において
とすれば、転置行列の定理を使って
となりますから、式(2)は
となります。さて、は対角成分がで表される対角行列でした。はシグモイド関数の出力で、ですから、の対角成分は全て正になっています。したがって、であれば、
です。式(6)は、ヘッセ行列が正定値行列であることを意味します。(参考:ヘッセ行列で最大/最小値の存在を判定)
交差エントロピー誤差のヘッセ行列が常に正定値行列であるこということは、全ての停留点は極小値ということになります。(参考:ヘッセ行列で極値の判定) このような関数は唯一の最小値を持つ凸関数のみです。
以上より、は唯一の最小値を持つ凸関数であるということが確認できました。