線形識別を最小二乗法で計算した場合の解を導出します。識別関数をとします。ここでです。(ダミー入力の定数を加えたものとします) はM×K行列(入力次元×クラス数)の係数とします。また、を1ofK符号(正解クラスが1でそれ以外が0のベクトル)とし、教師データがN個与えられたとします。
以上の前提条件をもとに計算をします。番目の教師データに対する2乗誤差は、
と書けます。これがなぜ二乗和になるのかは、ベクトルのノルムとベクトルの内積と2乗和より、ベクトルのノルムの二乗は、各要素の二乗和に等しいことが確認できます。なお線形識別における2乗誤差は、正解が、出力がのとき、としています。
式(1)は以下のように展開できます。
式変形には、転置行列の定理、ベクトルのノルムなどを使っています。
ここで行列の微分の式(5)(8)より、
となります。ここでを教師データを行分並べた行列とすれば、2乗和誤差は微分演算の線形性より
となります。二乗和誤差を最小にするのはのときですから、求める解は
です。結局、線形回帰を最小二乗法で解いた場合と形は同じになるんですね。これを使って識別の実験をした結果:線形識別を最小二乗法で解く