、としたとき、は以下のように定義されます。 *1
さて、スカラを返す関数をベクトルで微分すると
でしたから(参考:ベクトルの微分)、式(1)の定義に従って式(2)をもう1度で微分すると、
となります。式(3)はヘッセ行列と呼ばれ、と表記されます。の要素に注目するととなっているからでしょうか、とは書かないようです。
ところで、「ベクトルをベクトルで微分」って珍しい演算なんでしょうか。この定義が書いてあるサイトが意外と少なかった印象で、しかも教えてgooには
>ベクトルaをベクトルbで偏微分する
こんな話は少なくともベクトル解析の世界では聞いたことがありません。
とか書いてある始末。(参考:ベクトルとベクトルの偏微分について -ベクトルaをベクトルbで偏微分す- 数学 | 教えて!goo)
ちなみに、英語のWikipediaには定義がそのまま載っていました。→Matrix calculus - Wikipedia 英語を読むのは得意ではないのですが、数式は世界共通なので助かりますね。日本語のWikipediaにも載っているのかな。偶然にも先に英語版が見つかってしまった。
*1:これはNumerator-layout notaionという定義です。Denominator-layout notationという定義もあり、その場合は式(1)を転置した形になるようです。Layout_conventions