全ての固有値が正の対称行列を正定値行列と呼びます。これは、2次形式が常に正であることと同条件です。が対称行列なら、
によって対角化できます。ここで、は固有ベクトルを並べた直交行列、は固有値を対角成分に持つ対角行列です。(参考:対称行列の対角化)
ここで、
より、式(1)を変形すれば
です。式(3)より任意のベクトルに対し、
です。(参考:転置行列の定理)
ここで、とすれば、
となります。したがって、非ゼロベクトルに対してが正なら固有値が全て正である、つまり正定値行列であるといえます。なお0を含む場合は半正定値行列と呼ばれます。